お客様とのQ&Aから
Q、大切にしまっておいた着物、きものの変色は?
最近、皆様から、よくお聞きするのが、「桐のタンスに大切に着物をしまっておいたのに
白っぽく変色してますこれは、なんでしょう? 」 という質問です。
実はこれは <大切にそのまましまっておいたから、変色してしまった>という方が本当
なんですね、原因はカビである事が殆どです、湿気がカビを呼び、生地を変色させてしま
ったようです、カビは湿気が原因です。このまま、しまっておくと、進行して黄色に変色して
手遅れになることも・・・
対策は、年に1回でも着物を1回でもきものを干す事です!
が、実際は皆さん、大変な事と思います、そこで、先ずは、マツモトキヨシでドライペット
を買ってきましょう。湿気とりの溶剤です。湿気を含むとゼリー状になります。
それだけ箪笥の中が湿気を含んでいたとびっくりされる方も多いかも、とりあえず
これを使ってきものを大切に長持ちさせましょう。絹は生きています。
で、できれば、年に一度でも < 干して乾燥させて下さいね >
干して保管する人は 「 十数年たったきものの胴裏も白いまんま 」 でしたね
Q、八掛が、擦り切れてます、どうしたら?
普通は、仕立直しになってしまいます。裾は、天地をひっくりかえして仕立します。
通常、トキハヌイ、洗張、仕立で、3万位はかかってしまいます。
部分的に補修でよろしければ、裾をなかに縫いこんで、そこだけ修理すれば、
5000円位でできます。但し、身丈が1センチから、2センチ程短くなります。
尚、紬の八掛はパレスの通常の生地よりどうしても、擦り切れやすいので、
ご希望により、紬のきものにあえて、パレスの生地をつける場合もあります
又、八掛が切れないよう、汚れにくいよう、<ガロンテープ>をつける、という
裏技のような工夫もあります。これは、裾と袖口に3センチ程の布(テープ状)
を縫いつけておきます。きものを毎日のように着用するきものアドバイザー
の方がこのように工夫している事があります。袖口が汚れてもテープをとる
だけできものが痛まないからです。ガロンテープは洋裁店でたまに売ってい
ます。
Q、胴裏が黄ばんでいます、どうしたら?
胴裏が黄ばんでいる場合は、新しい胴裏に交換する必要があります、部分的に直す事が
できない為、仕立直しになります。小紋ですと、表地洗張4000円・八掛洗張、2000円に
トキハヌイ代、2500円です。それに仕立代22000円で、胴裏11000円で総合計41500円です
最近、発見したのは胴裏も染めてしまうと目方のある裏地ですと色がついてけっこういい
ものに蘇ります!
Q、男仕立ってどんな仕立?
男仕立てはあぐらをかいて、足の指先で布を引っ張り、それがくけ代の替わりになります。
男仕立てというと、すべて男の人が縫ったものと思っている人も多いですが、その流儀で
学んだ女性の仕立師も男仕立てと言います。仕立の職人さんでも男仕立は一流の仕立
で、仕上がりも実に見事です。生地を手先と指の足先で引っ張っぱりながら、針を斜めに
入れていくので、着用後もより狂いが少ないともいいます。ちなみに上手な職人さんほど
縫う前の地のしをより丁寧にやります。地のしとは生地にアイロンをあてて、布目を整え
る事です、絹の生地は収縮がありますので、この時、詰めるだけ詰めます。
そうすると、着用後も縮みがより少なく、裾のブカつきや仕立の狂いが少なく安心です。
Q、婚礼衣装で、つける紋は、実家の紋ですか?それとも、嫁ぎ先のもの?
結婚される時に紋付に付ける家紋は、通常は実家の紋をつけます、然し、嫁いでから新たに
創る時は、嫁ぎ先(ご主人宅)の紋にします、たまに、紋の形がいいからと承知の上で実家の
家紋をつける方がいられますが、間違えではありません、通常はご主人様の紋になります
家紋には、丸がついている紋と丸がつかない紋が有るのでご確認下さい
又、正式は染抜きの一つ紋を付けますが、格式ばらずに着用するには縫紋もいいです。
尚、仕立上っているきものでも紋を替える事も出来ますのでご安心下さい。
Q、古い留袖ですが、比翼と動裏が変色してます、仕立直した方がいいですか?
黄ばんでしまった裏生地の変色は一度解いて、仕立直ししないと直りません。
但し、留袖の場合は仕立代、比翼生地代、胴裏、トキ洗張、と合わせて計算するとけっこう
かかってしまいます(8万から9万円位)最近では、仕立上げても10万前後か、10万円台の
留袖もけっこういい柄のものが探せばあります、どちらかを比較検討してみるといいかも
しれません、当店でも10万前後ででデザインのいいものが少ないですが、入荷してきます。
ご覧頂いてけっこうご好評頂いております。
ですが、思い出の品や昔のものであっても割とデザインがいいものもあります。
それは、費用をかけても価値があると思われます。その判断は柄と品質を見てご相談と
いう事になると思います。
Q、6月にお茶会で着物を着ます、無地のきものに合わせる帯は?
6月はきものの季節では単衣になります、単衣のきものには、涼しそうな帯がいいですね
単衣の裏がつかない袋帯なども出ていますが、通常の袋帯か名古屋帯で薄めのベージュ地
とかグレー地とか、白地か、しろっぽい感じに見える帯も単衣に向くと思います。格式の高い
装いでは、袋帯ですが、名古屋帯でもフォーマルとして着用できる格式の高い古典柄も出て
います。6月も20日すぎでしたら、けっこう夏帯をしめている方も多いようですね。
帯は季節を先取りして、紗袋帯のフォーマルですっきりしたもの、絽綴帯の白地とか
フォーマルの紗の九寸帯もあります。先にきものの色を見せて頂き、合いそうな柄を
ご提案させて頂きます。6月でも日付けによって夏帯と使いわけると理想でしょうね
Q、小紋の着物を着ようとして箪笥から取り出してみたら黄色いしみが数箇所
ありましたが落ちますか?
黄色いしみは、相当時が経って生地そのものが黄変したものと思われます。ごく多少のもの
であれば、染色補正(地直し)により修復可能ですが、広範囲に広がっている場合は、修復が
難しいものもあります。その場合は、目引き染めと言って、そのまま無地の色をかけて、再生
加工するか、又は色抜きして、ほかの無地や柄染めにして染め替えたほうが良い事もあります。
Q、きものを揃えるのに、男性のきものの種類を間単に教えて下さい、
素材では、ウール、木綿、化繊もありますが、絹では、普通は紬の無地が多いです、しゃれた
感じでは「お召」なんてなかなかいいです!先染めのちりめんの事ですが、その風合いはなん
ともいえないです、無地だけでなく、細かい縞や柄もいいものです。
これからきものをはじめて揃える場合は、化繊の仕立上りできものと羽織、羽織紐、襦袢、各帯
がセットでで全て揃うのもあります(8万円位)通常は、着物と羽織の色を変えた無地のきもの
がまずはひとつあると重宝します。最近では、リサイクルのきものもなかなかいいものが出てい
ます。
☆上期のようなご質問については、<きものフオーラム>のコーナーがありますので、そちらに質問を書き込み下さいませ。但し、業務が多忙の時、等、時期により多少お答えに数日要する時もあるので、ご了承下さいませ。お急ぎの場合は、お気軽にお電話下さいませ
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2002年3月12日更新 橘川
2001年 12月23日更新 橘川